なぞときのためのデザイン〜あえてわからなくする〜
はじめに
こんにちは。カシオでアプリのデザインを担当している者です。
今回は、カシオ計算機が開発したスタンプラリーアプリ「MEGURUWAY」での謎解きコンテンツ制作についてお話ししたいと思います。
本来デザインとは、ユーザーを思いやり、使いやすくするためのものですが、謎解きコンテンツでは一風変わったアプローチが求められます。
どこまで親切にするか、指示をどこまで記載しないか。
このバランスを取るために私たちは日々試行錯誤しています。
「MEGURUWAY」について
「MEGURUWAY」は、単なるスタンプラリーアプリに留まらず、地域の観光地や商店街を巡る楽しさを最大限に引き出すために制作されたアプリです。スマートフォンを片手に、指定されたスポットを巡りながら、スタンプを集めることで新たな体験と出会いを楽しむことができ、コンテンツの中には本格的なリアル謎解きゲームもあります。
MEGURUWAYコンテンツの紹介ページ
デザインの悩みどころ: 親切さ vs エンターテインメント価値
通常のアプリでは直感的で使いやすいインターフェースが求められます。
しかし、謎解きアプリの場合はちょっと違います。
少し意地悪なくらいが丁度いいことがあります。
具体例: 回遊させるための工夫
例えば、目的地を曖昧にすることでユーザーに回遊を促す設計を取り入れています。
マップアプリでのナビゲーションをせず、アプリ内に特徴的な写真を載せて、それを目印に謎解きに挑んでもらうということがしばしばあります。
下の画像は実際に鳥取県若桜町にて実施されている「若桜町よくばりロマン紀行」で出題される問題です。
特徴的な彫像や建物の写真を表示し、それを現地で探させることで、ユーザーに自らスポットを探索する楽しみを提供しています。
本来、スマートフォンではマップアプリ等で目的地の情報を正確に知ることができます。
しかし、このようにあえて不便にすることでユーザーが自分で謎解きに必要な要素を発見する楽しさを提供します。
バランスを取るアプローチ
デザインに関しては、謎解き部分をあえて不親切にする一方で、安全性については徹底的に親切でなければなりません。
ユーザーが謎解きに夢中になりすぎて周りを見失わないように、コンテンツや謎解きアイテムには注意喚起のメッセージを適切に配置しています。
例えば、人通りの多い場所の看板等を確認したり、立ち止まって作業する必要がある場合は「スペースのある場所でゆっくり解く」のをおすすめします。」といったメッセージを記載しています。
下の画像は実際にロマンスカーミュージアム(海老名)にて実施されている「ロマンスカーミュージアムと不思議な恋物語(ロマンス)」で出題される問題です。
このように、楽しさと安全性のバランスを取ることが、私たちのアプローチの要点です。
結論
謎解きアプリのデザイン制作は、親切さと挑戦さのバランスがキモです。
ユーザーが思わず考えてしまうような場面を用意し、ひらめきを得た時の達成感を提供できるアプリを目指しています。このバランスを絶妙に保つことで、ユーザーにとって忘れられない体験を作り上げていきたいと思っています。
以上が私たちの試行錯誤の一端です。これからも素晴らしいデザインを追求し続けますので、応援よろしくお願いします!
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