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スマホアプリ名を決めるのに苦労した話(得た教訓)

こんにちは!カシオでソフトウェアサービスを企画・開発している岡澤です。
私の所属する部署では、昨年MEGURUWAY(旧名:MEGURUWA)というデジタルでスタンプラリーなどの体験コンテンツを提供するアプリをリリースしました。

アプリのコンテンツに関しては、カシオHPの下記サイトをご覧ください。

本日は「MEGURUWAY」のアプリ名の決定にあたり踏んだステップ、苦労した話、そこで得た教訓をご紹介していきます!

1. アプリ名の候補出し

まずはアプリ名の候補出しから始めました。
部署内でアプリの目的や概要の認識合わせをした後、候補案・由来を募集しました。1週間ほどで、25案ほどが集まりました。

また、アプリ名の検討と同時期に仕様検討・開発・顧客獲得のための営業活動も動き出しました。

2. アプリ名の選定

候補出しした案から、アプリ名を選定していきます。
法律に疎い私でも商標権というものの存在は認識していたので、
J-PlatPatの検索機能から同名の商標登録があるものは候補から除外していき、残った候補の中から部署内メンバーの多数決で決定していきました。

そこで晴れて選ばれた名前は「MEGURUWA(メグルワ)」

あれ、MEGURUWAYじゃない・・・
そうです。はじめに選ばれた名前は、MEGURUWAYではありませんでした。
そこから約11ヶ月後「MEGRUWAY(メグルウェイ)」に名称変更することになります。

3. アプリ名・ロゴの商標調査依頼とアプリリリース

アプリ名が決定したため、アプリのロゴを同じ部署の秋山さんに制作してもらい、ロゴと文字の商標調査依頼を社内の専門部署に依頼しました。(商標に関する概要は本記事の最後で少し触れています。)

またこの頃、並行して営業部署が進めていた商談がまとまり、スタンプラリーの制作案件を獲得しました!
スタンプラリーの開催期日(2023年7月中旬)が迫っていたため、商標調査と並行してスタンプラリーの制作も進んでいきました。

カシオでは大きく以下のフローで商標の調査・出願に進みます。

  1. 社内簡易調査:社内にある商標・意匠の専門部署に類似がないか調査してもらう

  2. 正式調査:専門機関で類似がないか調査してもらう(有償)

  3. 出願手続き:調査結果を受けて出願検討し、出願する場合は所定の手続きを行う

  4. 出願(有償)

上記のフローで手続きを進め、ロゴは2.正式調査⚪︎、文字は1.簡易調査⚪︎(ただし、出願には正式調査必須)という状態で、アプリの初回リリースを迎えたのです。

4. 文字調査の結果…商標登録可能性なし

「MEGURUWA(メグルワ)」アプリは晴れて初回リリースを迎えましたが、文字の正式調査が完了していなかったため、正式調査を依頼しました。

その結果、同じサービスのカテゴリで類似が見つかりました。
同一名称ではありませんでしたが、似た呼び方・発音をする文字が含まれてているという理由で、使用可能性・登録可能性は×という結果でした。

この結果を受け取った時、少し顔が青ざめたのは言うまでもありません(汗)

5. アプリ名の再選定と変更

商標使用可能性・登録可能性が×の名称を継続利用するわけにはいきません。権利侵害のリスクがあるからです。

アプリ名を変更するため、再度アプリ名の候補出しを実施しました。
社内の簡易調査は複数候補を並行して対応いただけたため、今回は2-3案で簡易調査を依頼し、その中で⚪︎となった「MEGRUWAY(メグルウェイ)」を変更候補として再度、正式調査を依頼しました。

2度目の正式調査で登録可能性⚪︎の結果を頂き、出願手続きを進めて
2024年1月に「MEGRUWAY(メグルウェイ)」のロゴ+文字を商標出願しました。

MEGURUWAY

さて、変更する名称は決定しましたが、次の課題となったのは「いつアプリ名を変更するか?」です。

変更名が決定した時期は、既に別のスタンプラリーコンテンツが開催中で、その後も、いくつかコンテンツの開催予定がありました。
イベントの開催には事前告知や広告、販促物が伴うため、期間途中での名称変更はできません。

そのため、名称決定時点で何もコンテンツ実施が予定されていなかった2024年3月11日(月)〜15日(金)の1週間をアプリ名変更期間としました。

2024年3月15日(金)、「MEGURUWA(メグルワ)」は「MEGURUWAY(メグルウェイ)」に生まれ変わりました!

MEGURUWAY

6. 今回の経験で得た教訓

MEGURUWAYのアプリ名決定までの経験から得た教訓は以下です。

  • 商標は、正式調査や出願フェーズを踏んだ上で決定する

    • そのためには、商標調査・申請・出願手続き実施を念頭に置いたリリース計画を考える必要があります。

    • 今回は変更対象がアプリ名だったため、なんとか途中で名称変更が可能でした。これがハード製品のように後から変更できないものだったら大変なこと(大損害)になりますし、アプリの場合も変更のための各種調整など、工数が発生しているので、損害ゼロではありません。

  • 商標調査、出願には費用がかかる

    • 商標で必要になる正式調査や出願には費用がかかります。出願するカテゴリや国、内容によっても調査費用、出願費用が変わるので、きちんと費用を確認しておきましょう。(正式調査は1件毎に費用発生)

  • J-PlatPatでの同名検索だけでは不十分、調査はプロにお任せする

    • 名称が同名ではなくても類似として当てはまる可能性が十分にあり、初心者が調べただけでは登録可否を判断できません。商標・意匠の専門機関に相談しましょう。カシオの場合、社内にある商標・意匠の専門部署があるので、私はその方達に相談しました。

  • 名称やロゴの決定について不安・不明点はすぐに相談する

    • 今回、「MEGURUWA」から「MEGURUWAY」にアプリ名を変更するにあたり、調査にかかる費用や必要タスク、時間、法的なリスク面で不明点が多く出ました。私は、都度社内の専門部署の方にご相談して解決していきました。ご相談部署のYさん、Kさんはいつでも快く、スピーディーに相談に応じてくれ、本当に感謝しています。