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カシオの「オモシロ時計」物語 Vol.4:30年以上も前に登場していた液晶タッチパネル時計 「TC-500」

カシオの時計事業50周年を記念して、特にエポックメイキングだった腕時計を振り返る本連載。
1980年代、電卓に電子辞書の搭載など、腕時計の機能拡大を重ねたカシオはさらなる技術革新を加速させます。
第4回は画面に触れて操作する腕時計の登場です!


フロントガラスが入力キーに! 液晶タッチパネル採用

スマートフォンが普及し、今や当たり前となった画面に触れて操作するタッチパネル。ATMや駅の券売機など公共の場でも液晶を使った機器はほとんどがタッチパネルと言っても過言ではないでしょう。

そんなタッチ操作を今から30年以上も昔の1983年に、しかも腕時計で実現していたのが「TC-500」です!

1980年代のカシオは、デジタルウオッチの多機能化に注力していました。
この連載でもご紹介した、Vol.2の電卓機能を搭載した「カルキュレーター ウオッチ C-80」を皮切りに、Vol.3の辞書機能を搭載した「ウオーキング ディクショナリー カシオ和英/英和デジタル T-1500」など多機能モデルを次々と発売。「腕につける情報機器としてのウオッチ」という目標に、まい進していました。

ただ、腕時計のサイズをキープしながら機能を増やすには「ひとつのボタンに複数の機能を割り当てる」操作スタイルが王道ですが、電卓機能の場合は「ボタンの数を増やす」しかなく、画面表示を大きくできない、というジレンマがありました。
それを解消すべく新たに採用したのが液晶タッチパネルだったのです!

「TC-500」は、液晶タッチパネルを搭載することでこの問題をあっさりと解決! 透明のタッチセンサーや、ドット表示に頼らずに2種類の表示パターンを切り替え表示できる液晶画面など、新技術がふんだんに投入されていました。

”時刻表示”と”計算キー表示”の二つのパターンを一枚の液晶で実現した「TC-500」。キーボタンなどの可動部分を排除することで防水・防塵などの面においても高い信頼性をもたらしました。

しかもこのタッチパネルは、なんと汗の量やタッチ圧などのバラツキに応じて感度を自動調整する機能や、複数のキーにタッチしても触れようとしたキーを割り出してくれる機能も搭載していました!
タッチパネルを初めて採用したとは思えない完成度を実現していたのです。

使いやすさの追求=新技術の開発

いま見れば「TC-500」は、電卓機能付きのシンプルなデジタルウオッチかもしれません。しかし、搭載されているタッチ液晶画面は「かぎられたスペースでスムーズなデータの入出力を実現する」という理想に燃えて開発されたもの。

デジタル技術による多機能化が、機能の足し算から液晶タッチパネルという操作性の飛躍も加わった「TC-500」。腕時計を“パーソナル情報機器”へとして進化させてゆく、というカシオの強い意気込みがうかがえます。

さて、次回は1983年です。
「あっ!」と驚くセンサー技術を搭載したモデルが登場しますので、
ぜひ楽しみにしていてくださいね!!

「おもしろ時計」物語 Vol.2では電卓と腕時計の融合を目指した「カルキュレータ クロノ C-80」、Vol.3では辞書機能を搭載した「ウオーキング ディクショナリー カシオ和英/英和デジタル T-1500」をご紹介しています。まだご覧になっていない方はぜひこちらも↓チェックしてみてください。

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