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カシオの「オモシロ時計」物語 Vol.2:電卓と時計を融合させた「C-80」

カシオの時計事業50周年を記念して、特にエポックメイキングだった腕時計を振り返る本連載。
時代は1980年代に突入します。
第2回は祖業である電卓を取り入れた画期的なモデルの登場です!


電卓メーカーの名にかけて!? 電卓×腕時計=「C-80」!!

カシオの祖業は電気計算機です。
その計算機をより身近にすべく、1972年に開発した電卓(電子式卓上計算機)は大ヒットとなり、今では世界中で愛用されています。

そんな電卓と腕時計の融合を目指して生まれたのが、1980年発売の「カルキュレータ クロノ C-80」です。

計算機能付きの腕時計は1970年代後半から市場に出回っていました。
しかし、デジタルウオッチのフェイスを維持することに固執した結果、
搭載されているキーは極小サイズ…。そのため計算するには、ボールペンや特殊な付属ピンが必要という面倒なものでした。

しかし、カシオは電卓のプロ! そして腕時計に関しても開発力を磨いていました。それだけに「電卓メーカーの名にかけて!」と当時言ったかどうか定かではありませんが(笑)、「C-80」は、使い勝手をとことん追求

電卓機能の操作キー(ボタン)をフロントとサイドに分けて配置することで指で押せる大きさを確保したのです。

計算状態を液晶に表示する8桁計算機能に加えて、オートカレンダー機能はもちろん1/100秒ストップウオッチやデュアルタイム機能、アラーム機能なども搭載していた「C-80」。腕時計単体の機能性も充実していました。

単なる合体商品ではない、受け継がれる使いやすさ

フロント(文字板)には計算でよく使われるキーが配置されており、『=』より『+』の使用頻度が高いという判断は、電卓メーカーならではのもの。
2つ以上のキーが押された場合、ユーザーが押したかった方のキーを判断する「Finger Touch System」という回路も搭載されていて、計算ミスの防止策も万全でした。

また、時計機能に関しても使い勝手を重視して時刻やカレンダーなどの設定をフロントの数字キーでダイレクトに行える仕様に。
指で押せるサイズの物理キーを前面に複数配置するという「C-80」のスタイルは、1984年に発表された電話帳機能を搭載したデータバンクシリーズにも継承されました。

現在もそのDNAを受け継いで電卓機能を文字盤に搭載したモデルが「カシオ クラシック」コレクションにてラインナップしています↓。

”常時手につけられる電卓の究極の姿”を目指した「C-80」。
今振り返っても当時の発想とそれを実現した技術力には驚かされますが、デザインも色褪せることなく、レトロフューチャー感がとっても新鮮です。

次回は1982年です。
さらなる腕時計の新たな可能性を追求したモデルが登場します。

「おもしろ時計」物語 Vol.1では多機能デジタルウオッチの元祖「カシオトロン X-1」をご紹介しています。まだご覧になっていない方はぜひこちらも↓チェックしてみてください。


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