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カシオの「オモシロ時計」物語 Vol.1 : 1976年発売「カシオトロン X-1」

「時間は1秒1秒の足し算、計算機の発想で時計ができる」と考え、1974年に時計事業に参入したカシオは、今年で時計事業50周年を迎えます。
そこで、50周年の特別連載として、これまでにない新たな可能性を腕時計で追求してきたカシオならではの個性的な歴代モデルを厳選してご紹介していきます!


一つの時計の中に五つの電子頭脳!

クオーツ式(電池式)の腕時計が台頭しつつあった1970年代初頭。
時計メーカーの多くは、これまでとは異なるクオーツならではの新たな機能や表示や操作方法などを模索していました。
そんな中、1974年に世界で初めてオートカレンダー機能を搭載したデジタルウオッチ「カシオトロン QW02」で、カシオは時計事業に参入しました。

常識を覆す世界初の機能を搭載して時計業界に参入したカシオでしたが、その歩みはさらに進みます。そして、新たな世界初を実現したデジタルウオッチが、1976年(昭和51年)に発表された「カシオトロンX-1」です。

「カシオトロンX-1」は”一つの腕時計の中に五つの電子頭脳”という、
期待で胸をわくわくさせるフレーズとともに登場しました。
その内容がこちら↓です!
オートカレンダー機能の時計
②ストップウオッチ/タイマー
③押すごとに加算されるカウンター
④6都市の時刻を確認できるワールドタイム
⑤ホームタイムとは異なる時刻表示を設定できる別時計

これらの機能を備えた世界で初めての腕時計として、衝撃的なデビューを飾ったのです!各機能を2つのボタンだけで操作できるというのも画期的でした。使いやすくて液晶表示の視認性も高い。多機能なのにミニマルなデザイン。「カシオトロンX-1」がもたらす腕に着ける“近未来体験”にときめいた人も当時多かったようです。

「カシオトロンQW02」で注目を集めたオートカレンダー機能をはじめ、5つの便利な機能を搭載していた「カシオトロンX-1」。CMOS-LSI(相補性金属酸化被膜半導体大規模集積回路)の回路設計開発により使いやすさや低電力消費を実現していたのも大きな特徴でした。

”時計の再発明”で 多機能腕時計のルーツに

海外への出張や旅行の機会も増えつつあった時代のニーズもワールドタイム機能を搭載したことで見事に捉えていた「カシオトロンX-1」。

もともとデジタルメーカーで腕時計にどんなテクノロジーを搭載して社会に貢献できるか、何が面白いか、を追求していたカシオだからこそ生み出されたモデルと言えると思います。
そして、この「カシオトロンX-1」が原点となって、その後数々の多機能ウオッチの開発につながったのです。

Appleのスティーブ・ジョブズ氏は「電話を再発明する」と銘打って「音楽プレイヤー・ネット通信機器・携帯電話を一つに」と掲げてiPhoneを発表しました。そして、iPhoneは多機能なのにシンプルな操作性と大きな液晶による視認性の高さを実現し、携帯電話に革命を起こしました。

そう考えると、「カシオトロンX-1」はiPhoneのように”時計の再発明”だったのかもしれません。

引き続き、これからもカシオが時計を手がけてきた半世紀においてエポックメイキングとなった個性的でユニークなモデルを紹介していきますので、ぜひ楽しみにしていてください!

また、2月29日に発売されるカシオ初の腕時計「カシオトロン」の復刻モデル「TRN50」については、開発者インタビューを通してそのこだわりなどをご紹介しています。ぜひご覧ください。

・カシオ腕時計50周年!カシオトロン復刻モデル「TRN-50」開発者インタビュー


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