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スクラム初心者の取り組み事例

こんにちは。カシオのモバイルアプリ開発を担当している橋本です。

アジャイル開発で最も有名なスクラムは、世の中で一般的な手法となってきている一方、私たちカシオでも採用するプロジェクトが増えつつあります。しかし、まだまだ経験が浅く、特にプロダクトと連携するサービスに対してスクラムをうまく適用するのは難しく、日々試行錯誤しています。

今回は、私が関わったプロジェクトでのスクラム導入の経験から効果があった取り組みを紹介します。少しでもスクラム初心者の方々の参考になれば幸いです。


過去のスクラムで失敗したこと

私が以前関わったプロジェクトでは、スクラムの一部を取り入れていましたが、いくつかの課題がありました。

1. 「ワンチーム」体制が作れなかった

スクラムでは、チームが全ての決定権を持つことが求められます。しかし、大規模なプロジェクトでは人数が多く、役割ごとにチーム分けしたため、アプリ開発チームと企画チームが分断されていました。
このとき、アプリ開発チームで閉じてスクラムの一部を適用していましたが、チーム間ではセクショナリズムが生じ、良好な関係性を構築できませんでした。

2. プロダクトバックログを運用しなかった

仕様の方向性が既に決まっていたり、ユーザーストーリーの作成方法がわからなかったりという理由から、ユーザーストーリーやプロダクトバックログの作成を省略し、タスクベースの管理だけを行っていました。
これにより、開発メンバーは目的を理解せず、提示された仕様を実装することに留まり、より良い提案もできていない状況でした。

新たな「ワンチーム」への取り組み

今回のプロジェクトでは、アプリ開発メンバーと企画チームを同一のスクラムチームに組み込みました。しかし、チームメンバーはアジャイルやスクラムについて聞いたことはあるが、あまり理解できていないという状態です。

スクラムの手法をただ知るだけではなく、アジャイルのマインドセットを理解することが重要です。まずは、IPAが発行している『アジャイルソフトウェア開発宣言の読みとき方』を、全員で読み合わせをしました。
読み合わせてその場で意見交換することで、より理解が深まり、チーム内全員でコミュニケーションを取れる良い機会となりました。

次に、ワーキングアグリーメントの作成を行いました。下記のような些細な内容も含めて20項目以上のルールを策定しました。

  • オンライン会議では極力顔出しする

  • Slackで自分へのメンションが付いたメッセージに気づいたら必ず何かリアクションする

  • ナレッジは積極的に残す

これにより、チームメンバーが求める行動が明確化され、円滑なコミュニケーションが可能となりました。また、2週間に1度のペースで定期的な確認を行うことで、これらのルールがチーム内で浸透していきました。

ワーキングアグリーメントの詳しい内容については、次の記事をご覧ください。

ユーザーストーリーマップからプロダクトバックログをつくる

今回のプロジェクトは、公開済みのアプリに機能を追加するために発足しました。プロダクトバックログを運用するために、まずは追加する機能のユーザーストーリーマップを作成しました。
なぜそのストーリーが必要なのか、優先度が高いのか、全員で議論することで、フォーマットとしてだけでなくチーム全員がプロダクトの方向性を理解し、納得するものとしてユーザーストーリーマップは非常に役立ちました。
こうして完成したユーザーストーリーマップから、プロダクトバックログの運用を開始しました。

ユーザーストーリーから仕様化するまで

従来は、プロダクトバックログの優先度が高いユーザーストーリーを、プランニングの際に仕様化します。しかし、対象のアプリは大規模かつ複雑で様々な点を考慮する必要があります。
品質を保つため、以前から詳細な機能仕様を定義した上で開発していた都合で、プランニングの時間内で仕様化することは困難でした。
そこで仕様策定と開発のスプリントを分けて対応することとしました。1週間で次の開発するストーリーの仕様を策定、次の1週間でそのストーリーを開発する、という感じです。

仕様策定は企画メンバーが担当しますが、必ず1スプリント内で1回はチーム全員で確認する場を設けました。この取り組みによって、開発メンバーからも多数の改善提案が挙がり、実際に採用されました。
これまでの企画が仕様を策定し、開発メンバーはそれを実装する、という形から脱却できた瞬間でした。

スクラムを導入してみて

カシオのように、年齢層や過去の経験値が異なる多様なメンバーが同じ方向を向いてプロジェクトを進めることは容易ではありません。

今回の取り組みはスクラムの基本的な要素を実践しただけですが、チームメンバーからも「これまでで一番良いチーム!」と声があがるほど、大きな効果をもたらしたと共にスクラムの素晴らしさを実感することができました!

まだまだ課題は山積みですが、スクラムの取り組みについても「アジャイル」的に優先順位をつけて一つずつ改善していきます。

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