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CASIO DESIGNが国際的なパッケージデザイン賞「Pentawards」を受賞!

こんにちは。CASIO DESIGN WEB編集部です。

CASIO DESIGNの時計のパッケージが、パッケージに特化した世界的なコンペティション「Pentawards(ペントアワード) 2024」を受賞しました!
世界62ヵ国から2,000点を超える応募作品の中から、プロトタイプを対象にした「プロフェッショナルコンセプト部門」で銀賞を獲得。「Pentawards」でCASIO DESIGNが受賞するのは、今回が二度目となります。
受賞作を手がけたデザイナーの宮下さんに、デザインのポイントやこだわった点、受賞の感想を聞きました!

ブランドデザイン室のデザイナー 宮下さん


Pentawardsとは

2007年にベルギーで設立されたペントアワードは、世界初のパッケージデザインにおける優秀な才能を認定することに特化したコンペティション。
パッケージデザインの分野で最も権威のある賞とされています。
https://pentawards.com/live/ja/page/home


受賞作「Watch Hands, Inside and Out」

受賞したパッケージ※は、「時計の針」をモチーフにしていて、蓋の部分がまるで時を刻むかのように回転し、直感的に開くことができるデザインです。
※ パッケージはコンセプトデザインのため、現時点で市販の時計パッケージには使用していません。


ユニークなアイディアとこだわりのディテール

今回はプロトタイプですが、時計のパッケージを作るということは社内で決めてスタート。どのようにこのアイディアが生み出されたのか、こだわりポイントをお聞きしました。

宮下
:時計のパッケージをデザインするにあたって、まず時計の要素をパッケージに入れたいと考えました。時計の要素って何だろう、って思った時に、二本の針があること。だったらそれをパッケージにしようと。
当初はただの四角だったんですが、短針と長針の長さやバランスを調整したりして、5回くらい試作品を作りながら詰めていきました。
Pentawardsの審査では、いかにユニークかという点を見られるので、箱ってぱかっと上に開けるのが普通ですが、回転して開けるところがいかにも時計に見える、という仕掛けにしています。考えついた時に、あ、これはいけそうだなと思いました。
散々考えて考えて、うまくいかなくて、帰りの電車でふっと思いつくという事がよくあるんですが、今回もそんな風にアイディアが浮かびました。

時計の長針と短針が回転して開く、ユニークで洗練された形

宮下:もともとは時計が入れられるぎりぎりのサイズを狙っていましたが、そこからもう少し長さを伸ばそうとか、たたまっすぐ伸びているだけでは面白くないから、先が細くなっていくようにしていこう、など微調整を重ねていきました。
画像での審査になるので、立体にちゃんと見えるという点もこだわって作っていて、針の影が落ちるように短針の底面に傾斜をつけたり工夫をしています。

下の短針の部分につけた傾斜。細部へのこだわりが全体の完成度を大きく左右する。


クリエイティブの可能性を追求する挑戦

通常の量産品だと、製品をどう入れるか、輸送時に傷がつかないか、コストは合うかなど本当に多くの制約があります。もちろん制約の中でデザインするのがデザイナーですが、Pentawardsでは制約のないプロトタイプというジャンルでどこまで面白いものが作れるかを追求したそう。

宮下
制約がない分、デザイナーの力量が試されるので怖いといえば怖いんです。若手のデザイナーだと自由に何をやってもいいというと逆に戸惑うこともあります。
でもユニークなものが求められた時に、すぐ提案が出せるように、こういったアワードに挑戦することでデザイナーのスキルアップにつながるだろう、という考えでやっています。

宮下:ただ今回はプロトタイプなので、凝ったものを考えれば考えるほど、自分たちでパッケージを作らなきゃいけなくて、作る作業が結構大変です(笑)
細かく紙を切って貼って、工作みたいなことをしています。

社内でも一目置かれる宮下さんの器用さ
実はこのパッケージも全て手作業で作られたもの。


念願の受賞。そしてさらなる目標は。

1次審査の段階でスコアが良かったので期待が高まっていましたが、正式に受賞が知らされた時はどんな気持ちだったのでしょうか。

宮下:やっと世界のレベルに追いついたな、という気持ちです。
他の受賞作品をみても、こういうアプロ―チをするんだな、と勉強になります。同じ問いかけでも、すごくウィットの効いたうまい答えを返したり、デザインってそんな感じかなって思います。箱を作れって言われても、色んなデザインが出てきますよね。そこの頭の使い方、いかにそういうものを出せるかですね。今回はシルバーでの受賞なので、次はやはりゴールドを狙いたいですね。まだ上があるので、そこを目指したいです。




パッケージデザイナーというと、グラフィック出身の人も多い中、宮下さんはプロダクトデザインのエキスパート。さらに伝統工芸や工芸品にも造詣が深く、ブランドデザイン室の若手デザイナーへ立体講座を行うなど、後進の指導にもあたってくれています。さらに上を目指す宮下さんのデザインにこれからも期待しています!

Pentawards以外のデザインアワード受賞作品については、CASIO DESIGN WEBで詳しくご紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。


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