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昭和入社の取締役が語る、入社前の自衛隊研修

4月1日は、各社で入社式がおこなわれます。入社式のあとは、新入社員研修がはじまりますね。

1985年(昭和60年)に入社したカシオ計算機 取締役の山岸 俊之さんに
昭和時代の新入社員研修を思い出して話してもらいました。

昭和時代の新入社員研修では、どんな事をしていましたか?

山岸さん:私の世代のカシオの新入社員は、ほとんどが自衛隊研修に参加していました。入社前の3月下旬に、埼玉県の航空自衛隊熊谷基地に1週間近く泊まり込んで社会人の心得を叩きこまれました。

同期が320人くらいいましたが、会社のロゴが入ったおそろいのジャージを着せられました。しかも会社支給じゃない。あとで初給与から引き落とされていました(笑)。

数人ずつのグループに分かれて部屋に入り、班で行動して集団行動の基本を学びました。
朝は5時台に起床。「パッパラッパパッパラッパ」という起床ラッパで起こされます。
起きたら45秒以内にふとんをすべて畳み終わらなければいけません。
点呼して朝食。部屋から出たり入ったりする時も必ず点呼、号令。
朝から夕方まで、グラウンドを整列して行進したり、清掃をしたり、腕立て伏せなどの運動もしながら、夜9時頃まで分単位で決められた行動をして過ごしました。

お風呂に入る時も、自衛官の方が笛を持って立っていて、「次の組、よし!」と言われ、横並び一列で浴槽に入っていました。

何日目かに自衛隊の方から、大隊長に任命されました。
声が大きかったからだろうと思います(笑)
同様に中隊長、小隊長がいて、チームを率いて集団行動の訓練をしました。

研修の最後のイベントが「観閲式」。
自衛隊の方とカシオの人事部長の前で、320人全員で行進をしました。
自衛隊式のかけ声をかけながら、停止、右へ、左へと隊列を乱さずに動きます。

ガイドの白線も何もないグラウンドで集団を統制しなければならないので
研修中、みんなが寝静まった後も、ひとりでホールに出て練習していました。「何歩いったら右」と、歩数を数えながら行進の手順を覚え込んでいました。

当時を笑顔で振り返る山岸さん

大変だったけれど、自分にはとても良い思い出です。
やりとげた達成感があったし、同じ部屋にいた同期と仲良くなりました。
同期の人に顔も覚えてもらえて、しばらくは「大隊長!」と呼ばれていました。いまでも同期の飲み会で、話のネタになるくらいです。

自衛隊研修の後は、代々木オリンピックセンターで座学の研修があって、こちらも2週間くらい泊まり込み。
体を動かせた自衛隊研修に比べると退屈で(笑)。
他の人が入り込まないように建物が柵で囲まれているんですが、夜は柵を乗り越えて外に飲みに行ってるやつがたくさんいました(笑)。
日曜も、ずっと中にいなきゃいけなかったんです。自由時間だけど、することがない。

どうして家に帰してくれないのかと人事にきくと
「家に帰しちゃうと月曜に戻ってこない人がいるから」って言うんですよ。(笑)
「冗談じゃない」って抗議して帰っちゃいましたけど。

今思えばハードな内容でしたけど、同期も多かったし、楽しかったですね。


昭和時代の研修、いまとはだいぶ違っていたんですね!
そして、約40年が経った今日。
今年の新入社員の皆さんはどんな気持ちで今日を迎えたのでしょうか。
カシオの入社式の様子を公式サイトにて掲載していますので、こちらもぜひご覧いただければ幸いです。

・カシオ本社で入社式 53名が新たな仲間に


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