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G-SHOCKの正しいお手入れ方法とは?カシオの品質保証担当者が教えます!

こんにちは、カシオnote編集部です。
毎日暑い日が続きますね。
海にキャンプに、アクティブに過ごしたい夏のレジャーシーンに大活躍なのが防水性と耐衝撃性を備えた「G-SHOCK」と「BABY-G」。

濡れたり汚れたりを気にせず着けられるG-SHOCKですが、ふとバンドの裏側に汗汚れが付いていたり、気になることってありませんか?

今回はG-SHOCKの正しいお手入れ方法について、時計の品質保証を担当する上里 亮世あがり りょうせいさんに聞いてきましたので、一問一答形式でご紹介します!

上里 亮世(あがり りょうせい)
(開発本部 品質統轄部 第一ハード品質保証部)
・時計の外装機構の品質保証を担当。
・新製品開発における設計構造面での品質確立を推進。品質評価試験や量産立ち上げ支援などを実施。
・今年で入社6年目、過去に担当した機種はG-SHOCK「GBD-H2000」など。


ー海水や砂、汗が付着してしまった場合の、正しいお手入れ方法を教えてください。

上里:バンドの素材によって、それぞれのお手入れ方法が違ってきます。
まず、樹脂バンドですが、樹脂は汗に含まれる塩分や水分で劣化してしまうので、時計を外した後は水で洗い流し、柔らかい布で水分を拭き取ってから、通気性のよい所で一晩ほど乾かしてください。
ただ、日の当たる窓際などに放置し、長時間日光にさらされると劣化の恐れがあります。そのため、直射日光があたらない場所で乾かすのが良いです。

次にメタルバンドです。
柔らかい歯ブラシに中性洗剤を薄めた液や石鹸水をつけて、こすり洗いをすることで、汚れを取り除くことができます。
その後、洗剤成分を水でよく洗い流し、柔らかい布で水分を拭き取ってから、通気性のよい所で一晩ほど乾かしてください。

最後に皮革・クロスバンドですが、バンドに付いた水や汗を放置するとシミや色落ちの原因になってしまうので、もし付いてしまったらすぐに拭き取るようにしましょう。
樹脂・メタルバンド同様、お手入れ後は通気性のよい所で一晩乾かしてください。

ベゼルとガラスの境目や、裏ぶたの周り、ボタンやりゅうずの隙間など細かい部分の汚れには、綿棒や爪楊枝に布を巻き付けて、ていねいに拭くのがお勧めです。

細かい部分は綿棒で汚れを拭いてください

ー日焼け止めを塗ってから時計を着けても問題ないですか?

上里:樹脂ケース、樹脂バンド、皮革/クロスに変色や破損が生じることがあるので、ご注意ください。
他材料の部品への影響を考慮し、メタル部品も着用後は、お手入れを実施してください。
日焼け止めが付いたら、水でよく洗い流した後、布で水分を拭き取ってから、風通しのよい所で乾かしてください。

ちなみに、品質評価の1つとして、日焼け止めが付着した場合の耐性も試験自体はしています。使用されている成分などが、国やメーカーによって異なるため、様々な種類の日焼け止めで試験を行っています。

ー防水なので、海水ももちろんOKですよね?

上里:「WATER RESIST」または「WATER RESISTANT」と記載してあるモデルは、海水でも使用いただいて問題ありません。
ただし、着用後は先ほどご紹介したお手入れをしていただくようお願いします。
また「水中で」および「時計に水分がついた状態で」りゅうずやボタンを操作することは、防水機能の低下やガラスの内側が曇る原因になるので、お避けください。
 
他のモデルとして、「AIR DIVER'S 200M」「DIVER'S WATCH 200M」と表示されているMASTER OF GやMR-Gシリーズなどのフロッグマンに代表されるダイバーズウオッチの場合は、水深200m相当の圧力に耐えることが できます。
水中でボタン操作を行っても、時計の性能に支障はありません。海水でアクティブに使用したい方には、こちらのモデルがぜひおすすめです。

ダイバーズウオッチは、時計に水圧を掛けた状態でのボタン操作の耐性を評価する試験として『加圧式水中ボタン耐久試験』を実施しています。

加圧式水中ボタン耐久試験

ダイバーズウオッチでは、開発拠点だけでなく、実際のダイバーの方に着用して、操作いただく試験も実施しています。さまざまな不確定要素を含む環境下で試験を行うことで、予期せぬ動作、意図的な試験では確認できない問題を洗い出すことを目的にしています。

ー防水なので、汗にも強いですか?

上里:「WATER RESIST」または「WATER RESISTANT」と記載のあるモデルは、先ほどご紹介したお手入れをしていただければ、通常使用での発生する汗に耐えうることができる構造となっています。

品質試験としては、ISOやJISの公的規格を参考に人工の汗を作り、部品単品と製品状態で腐食(サビなど)や色落ち、変色などがないかの確認や、防水性に関する試験などを適宜実施しています。
試験も色々な条件で行い、例えば、温度も常温だけでなく、温度を高くしてより過酷な環境を想定する評価もしています。
また、人工汗に浸したり、気化させて高湿状態にしたりなど、さまざまシーンを想定した試験を実施しています。

人工の汗につけた試験

 G-SHOCKユーザーの方からは、防水構造のため、海水での汚れやスポーツ後の汗汚れなどを気にせず、洗い落とすことができ、きれいな状態で長く着用しています、というありがたい意見もいただく事があります。そのような意見を聞くと、品質に妥協できないといった気持ちがさらに強くなります。 

※時計の表面または裏ぶたに、「WATER RESIST」または「WATER RESISTANT」と表示されていないものは防汗構造になっていませんので、多量の汗を発する場合、もしくは湿気の多い場所での使用や直接水に触れるような使用はお避けください。

ーアルコール消毒液がかかっても大丈夫ですか?

上里:アルコール消毒液に対する試験自体は行っていますが、かかってしまった場合、材料(樹脂、皮革、クロス)の特性上、変色、変質、塗装はがれ、ひび割れなどの恐れがあります。
もしかかってしまった場合は、すぐに水でよく洗い流し、柔らかい吸湿性の良い布などで水分を拭き取り、風通しの良いところで一晩ほど乾かしてください。

ーそのほか、この季節ならではの着用での注意点などあれば教えてください。

上里:汗をかきやすいこの時期に注意なのが、バンドをきつく締めると、皮膚との擦れすぎや汗の影響により皮膚トラブルが起こりやすくなります。
汗をかいたり、防虫剤・虫よけスプレー、日焼け止めなどを使用する機会が多くなると、空気の通りが悪くなり、かぶれやすくなってしまうので、予防のためにもバンドは指一本が入る程度の余裕をもたせてご使用ください。
 
また、夏は水に濡れる機会が多いですが、時計を色落ちしやすい衣類などと長時間密着させたり、濡れたまま一緒にしたりすると、色が時計に移行してしまう事があります。
また、反対に、時計の色が他のものへ移行する可能性もあるので、強く擦りつけることや、濡れた状態での放置はお避けください。

上里さん、ありがとうございました!
正しいお手入れ方法を身に着け、長くご愛用いただけると嬉しいです。

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誠に勝手ながら、8月9日(金)~8月18日(日)は夏季休暇とさせていただきます。ご了承の程宜しくお願い申し上げます。










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